Message From Kanda Music School

ごあいさつ

神田音楽学校 校長 菅原縁 sugawara yukari

神田音楽学校は昭和53年から現在に至るまで変わらず神田の町で開校してまいりました。
神田・日本橋・大手町・お茶の水・秋葉原界隈の土地柄、大人の生徒さんも多く、お仕事帰りに通っている方、お昼休みを利用して通っている方と様々です。最近は定年退職したけれど、週1回は都内に出てきてレッスンをして楽譜探しや美術館・古書店めぐり映画鑑賞等々と都内の用事を済ませる方もいます。四十年近くが過ぎ、創立当初から通っている60~80代の元気な方々や昔通っていた子供が大人になり、家族を持ち、またその子供達が今は楽しく通っています。
創立当初からアットホームな雰囲気の中、先生と生徒の充実した関係に重点をおいたレッスンを心がけ、ほとんどの方が永く通っています。

何かを学んで習得していくには、先生と生徒の関係性で上達が左右するとよく申しますが、特に音楽の学びは技術や表現力をマンツーマンの信頼ある教授のうえにご自身の鍛錬やそれに向き合う時間が音楽を作りあげていきます。
バーチャルではなくリアルな体験の積み重ねが自信になり、世界にひとつだけのものとして表現され、人と分かち合うことで喜びが体験できるのも音楽の持っている豊かな力です。
仕事をしている大人の生徒さん達が、仕事や日常で心を込めることはほとんどないけれど、音楽を通してそれができることを知って、楽しく気持ちがよい。心と身体のバランスもとれて精神衛生上とても良く、仕事にもプライベートにもいい影響だとよく話しています。
何かに熱中したり、夢中になると、脳の神経細胞が活性化し、新しいことに挑み、練習を積み、自分から細胞に働きかければ、その細胞は努力を受け止め答え、たとえ老いてる細胞でも補強する力を生み出すことができると言われています。
音楽が心の琴線にふれ、自身で奏でるリアルな体験が生きる力になることは、今の現代社会を生き抜いていくためにはとても大切なことのように思います。

当校の講師は、音楽の役割の大事なことを理解し、日々人との関わりを大切にしながら演奏活動・教授活動をしているものばかりです。私もその一員で、私自身は声楽を専攻し、尊敬する恩師に多くのものを学び、学生時代から当校で講師として音楽を教授してまいりました。現在は代表として身をおく一方、創立当初からの当校の理念でもある、音楽を通して人と人との関わりの充実を大事にし、そこに重点をおいて、日々教授することにも従事しております。
私自身も日々、師から多くのものを学び声楽を通して自分を磨いていく作業に勤しんでおります。自分の身体で表現する音楽(声楽)を学ぶことには終わりがなく、自分に向き合い演奏を通して表現しながら、ますますその世界に魅了され、そのあふれる気持ちや学んだ技術を今度は生徒さんに伝えて分かち合っています。

音楽には目には見えない大きな力があり、レッスンの中で私が教授したもの以上に、各生徒さんの中に新しく何かが生まれ弾けていく様は日々大変感動的なものです。
音楽の表現はその方の人生経験や体験がダイレクトに影響し反映されるものなので、その点の経験としてはおそらく先輩の生徒さん方々から、反対に私自身学ぶものが大きく背筋を伸ばして頂いているように思います。それが、子供や若い年代の方々のレッスンにも大変いい影響になっています。

心を込め、真剣に向き合うことを音楽を通して、これからも表現していき、皆さんと分かち合っていきたいと思っております。